中絶するかどうかを悩んでつらい気持ちになっていても、なかなか周りの人には相談しにくいものですよね。
産婦人科の先生はもちろん、看護士さんや助産師さん、中絶をこれからする人、しようか悩んでいる人、中絶をした人、いろいろな人から聞いた話をご紹介します。
自分と同じような境遇の人がどんなふうに悩み、中絶を決意したのかを知ることは心の支えになってくれますよ。
話を聞いていると、妊娠がわかったとき「妊娠したかも、どうしよう?という不安な気持ちで産婦人科に来たけど、実際妊娠していると言われたらすごくうれしかった」という人もいれば、「どうしよう、産みたくても子育てする余裕がないのに…」と落ち込んでしまった人もいるようです。
ただ、最初に「えっ!?」と驚くこと、「赤ちゃんができてうれしい」と感じることはみんな同じでした。うれしいからこそ、みんな深く悩むのです。
「どうして中絶を決意したの?」という話になったとき、多くの人が「育てられないから」と答えました。
では、なぜそのように感じるのでしょうか。
一番多かった理由は、経済的な事情。「まだお互い学生でお金がないから」という人もいれば、「毎月食べていくだけでギリギリだし、子どもを産むと収入がなくなってしまうから」という人もいます。すでにお子さんがいて、「もう一人は無理」という方もいました。
子ども一人を大人にするまでには2,000万円かかる、なんて話もありますよね。先立つものがないことは、中絶を決断する大きな理由です。
もちろん、「貧乏なのに子どもを産んでしまったら、子どもがかわいそう」と考えている人もいます。
仕事や学業を優先する人のほかに多いと感じたのは、「妊娠や子育てについて相談したり、手伝ってもらったりする相手がいない」から中絶を決断した人です。
という人も多いのです。
どれだけつらくても、喜んで中絶を選ぶ人は一人もいませんでした。みんな真剣に悩むからこそ、中絶を決断しているのです。中絶は、いまの自分を守り、将来しっかり子育てするための準備にもなる自衛手段です。
もし、あなたが中絶を考えているのなら、なるべく早めに婦人科へ相談しましょう。
中絶手術は、妊娠初期に行ったほうが母体へのリスクを抑えられるからです。また費用面が不安な方も、早めに処置を受けたほうがいいでしょう。妊娠初期の中絶手術費用は平均10万円ほどですが、中期になると30万円ほどかかってしまう場合もあります。
悩み、迷うことも多いでしょうが、母体へのリスクも考えると早めに処置を受けることをおすすめします。