人工妊娠中絶は、いつでもできるというわけではありません。このページでは中絶手術を行なう時期と正しい妊娠週数の数え方をご説明します。
日本では、中絶手術を行なえるのは妊娠21週6日目までと決められています。これは「母体保護法」という法律によるものです。この法律は母体の生命を守るために定められたもの。つまり、21週と6日以上の期間を過ぎた中絶手術は、母体に悪影響を与える危険性があるということです。
妊娠の時期としては、妊娠12週(3カ月)未満を初期、12週以降(4カ月)が中期となります。ほとんどの病院が12週未満の中絶手術を行なっていますが、中絶手術をするなら妊娠6~9週目に行なうのがベターといわれています。
12~21週目までの中期の人工妊娠中絶は、通常の分娩と同じ形をとります。そのため、分娩施設のある病院でしか行なうことができません。また21週と6日目以降の妊娠は、中絶手術を行なうことはできません。
ここで、正しい週数の数え方をご説明しておきましょう。
妊娠の週数は、最後の生理の初日を0日と数えます。0~6日までが0週、7~13日までが1週です。妊娠1カ月は0~3週までのこといい、妊娠2カ月は4〜7週まで、妊娠3カ月は8~11週までのこと。ここまでが妊娠初期です。
ただし、「最後の生理日の初日」を忘れてしまったり、生理不順があると実際の妊娠週数とズレが生じることがあります。そのため、超音波検査などで妊娠週数を決定することも多いようです。
12週未満と12週以上では、手術の方法が大きく異なります。12週以降は入院が必要になり、費用も初期と比べると3倍程度になります。
心配なときは「迷わず」「できるだけ早く」病院で診察を受けるようにしましょう。